虫送り

40年来の旧知の田の稲が去年、ウンカの被害を受けたとの報に接し、「虫送り」の話題になる。

旧知の出身地でも「虫送り」はおこなわれていたが、彼女は知らなかったらしい。そういうわたしも、お札を立てるだけの、残骸のような「虫送り」に、彼女のとなりの地区吉根で接したにすぎず、火を用い、斎藤実盛が登場する行事は知らない。

虫送り、祇園祭、夏越しの祭、紅白ストライプの提灯を下げた笹竹を立てる天王祭(たとえば浄心や枇杷島の祭り)などとして、一定の地域のある時期に普及するさまは、学術はもとより芸術としても誌されてよいと思う。